ついにこの日がやって来ました! 三社祭、当日。
準備も予習も多分バッチリ(なはず…)、集合場所に出掛けて、連れてきてもらった浅草。着いたら、まず町会にご挨拶。ここまでは想定どおり。
そして、朝からビールを飲んで、次に移動したのは「浅草寺の裏」。
ついに始まる「例大祭式典」。そこで私を連れてきてくれた呑み屋のマスターは、「ここから担ぐんだよ」って笑顔でにっこり。
お神輿を浅草神社→浅草寺→仲見世→雷門をぬけるまで担ぐという。
「はぁ、はい?」私には、鬼としか思えません。
だって周りを見渡せば、そこにいるのは目をギラギラ(もしくはキラキラ)させた大人達。屈強なお兄さん、ふんどし姿のお兄さん、粋でいなせなお姉さん、どう見ても全員プロ!
名画「仁義なき戦い」で見たようなお兄さん達もチラホラ。さらには、後楽園ホールにいそうなプロレスラーにしか見えない人まで…。
かと思うと、滅茶苦茶カッコいい鳶さん(この時から、かっこいい鳶さんチェックに余念がない私)や、初老の楽しそうに酔っぱらっている(まだ午前中だよ) 神輿歴○○年と思われる人などもいます。
また、普段は優しいスーツメンと思われる人もいますが、クールなビジネスモードとは、目が明らかに違います。静けさがある人程、目が違っています。この中に私がどうして入っていくことが出来るのかぁ!! だって私、文化系ですから!!! (落ち着いてみると、きっと普通の人も沢山いたはず。でもビギナーで、アンチお神輿なあの時の私が見るとこういう目線です。気を悪くしたらされたらごめんなさい)
その光景を自分の経験値に重ねて考えてみると、これはやっぱりフェスだと…。日本のフェスではなく、ジャマイカやイギリスなどのフェスだと(いる人のジャンルの豊富さ、そして江戸弁に紛れて聞こえる声などから)。
でも、いくら楽しいフェスでもこんなにも分かりやすく闘志むき出し、楽しさ前のめり、みたいな人が大勢いる空間は見たことがありません。このプロ集団の場でどうやってビギナーが担ぐんだと…。
音楽フェスならね、自分の好きな音楽があってそれを楽しみに行くわけだからそうは思わないけど、しかも今回は明らかに観る側ではなく、フェスの出演者側なわけですよ。そんなの私には、無理でしょーーー!!
というわけで脳裏に出てきた言葉は、故松田優作の名台詞「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!」ですよ。
と、ボケーっとしていたら、呑み屋のマスターであり、お神輿のマスター曰はく「先にね、場所をキープしてね、でね、担ぐの! (笑)」と私は左側の真ん中部分の場所をキープ。キープといっても、とにかく棒の前で棒に触れながら立って待つ!「楽しく担ぐんだよ〜 (笑)」と呑み屋のマスター。
何がどうやったら楽しくなるのか全く分からないけど、気が付くと更に人が集まってきました。いよいよ始まる「例大祭式典」。
さて、周りの空気にバッチリ呑み込まれた私は一体どうなるんでしょう…。だって、周りは「楽しさ前のめり」、「闘志むき出し」。
さぁ、どうなる? 私!!
malico
次回に続く
*writing/malico
オフィスワークに家事・育児、PTA活動やママ友とのお付き合いなどなど…、目まぐるしい日々を送りながらも、小学校2年生の愛らしい娘をもつ一児の母。埼玉県生まれの東京・港区育ち。
*illustration/T-hirano
share this