場所:栃木県日光市「日光山 輪王寺 三仏堂」
開催時間:あさ8時~(約15分間)
延年舞(えんねんのまい)は、慈覚大師 円仁(じかくだいし・えんにん=栃木県出身・第三代天台座主)が、唐から将来した秘舞曲で、寺伝によれば嘉祥元年(848)大師が日光山に来山された時、伝えられたものといわれており、千年以上の歴史と伝統がある。
天下泰平・国土安穏・延年長寿を希(ねが)って日光山の諸仏諸神に奉納される舞で、江戸時代からは、東照大権現の例大祭にさきがけて奉舞されるようになった。日光山の神仏習合の信仰を、今に伝える大切な行事の一つ。
毎年5月17日の午前8時、僧侶約15名の行列が「逍遥園」の朱雀門を出発し、三仏堂に入堂。行列の先頭は、輪王寺一山の新座住職二人が伝統的に役を担う『舞衆』(まいしゅう)で、『頌衆』(じゅしゅう)と呼ばれる声明を唱える僧侶たちが、そのあとに続く。
「舞衆」の衣装は、緋色の直垂(ひたたれ)に白の大口袴(おおぐちばかま)・短刀を背中につけ、白袈裟(しろげさ)で頭を「かぶと形」に包んでいる。お堂の中央には檜の敷舞台が設けられている。二人の「舞衆」は舞台に上がり、『頌衆』(じゅしゅう)と呼ばれる声明を唱える僧侶たちは舞台の後方にならぶ。
入堂すると上座の舞衆は舞台正面に進み、「延年頌」(えんねんじゅ)の歌唱が始まり、日光山本尊に向かって舞が始まる。上座の次に下座が舞い、15分ほどで終了。古くは比叡山・東大寺・興福寺などでも舞われましたが、現在では、日光の輪王寺と岩手県平泉の毛越寺などに残るのみとなった大変めずらしい行事。
■「延年の舞」の参観
延年の舞は、本来『秘舞』とされていますが、5月17日の朝8時に三仏堂境内に訪れれば、行列を見ることが出来る。またその際、三仏堂下の札所で、拝観券(三仏堂券・一人400円)で、三仏堂内部の座敷で参観することができる。
注意! : 「延年の舞」の写真・ビデオ撮影、録音は出来ません。
問い合わせ:日光山 輪王寺 教化部(きょうかぶ) tel.0288-54-0531
(日光山 輪王寺 教化部)
'on 2012年4月6日